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てるやまもみじの『筆まかせ』017

ズボニミール・ボバンは、心からクロアチアを愛している。
そして、選手としてはもちろん、ひとりの人間として、
代表のキャプテンに値する人物である。


ディナモ・ザグレブ時代(現在のクロアチア・ザグレブ)
彼は”クロアチアの突撃兵”という印象をもたれていた。
それはプレーからくるものではなく、もちろん悪いイメージでもない。
あるとき、こんな事件があった。
レッドスター・ベオグラードとの試合のあと、結果に満足しなかった
D・ザグレブ・サポーターと警官の間で衝突が起きた。
警官はやたらと警棒を振り回し、人々を殴りつけている。
そのとき、転んだ少年をさらに殴りつけようとする警官をみて、信仰心
危険を顧みずに止めに入った男がいた。
それがボバンだった。


ちなみに、この事件はサポーターと警官の単なる衝突ではなく、
ほとんどがセルビア人で構成された警官と軍隊による、クロアチア人に対する”弾圧”だったと言われている。
「ぼくは決して国粋主義者じゃない。でも愛国者だ。」
事件後ボバンは何度となく繰り返した。
今でも彼は,少年を守るためなら,素手でも権力に立ち向かっていくことだろう。


現在、ミラニスタたちはボバンを”ゾロ”と呼んでいるが、
クロアチアの人々は親しみと尊敬の念をもって”バン”といっている
”バン”とはクロアチア中世の国王と同じ名前だ。
「気に入っているよ、そのニックネームは。歴史に興味があるから、バンの小説もよく読んでいるんだ。」
歴史への造詣が深いボバンだが、彼は信仰心が厚いことでも有名だ。
日頃、聖書を愛読している彼は、慈善活動に積極的に参加している。
例えば、戦争で足を失った兵士に手術代と義足を援助したり、
戦火で破壊された国境近くの小さな教会の修復に尽力した。
こういった活動について、彼はみずから語ろうとはしない。


「褒められようと思う気持ちは、まったくないんだ。ぼく個人の問題であって、他人に話すようなことじゃないよ。」
94年、バルサとの闘いに勝ったボバンは、ザガブリア地方出身のモデル、レオナルダにチャンピオンズ・カップを贈るとともに永遠の愛を誓った。
「レア(レオナルダの愛称)は、ぼくが長年夢みてきた女性なんだ。
彼女はぼくにすべてを捧げてくれる。もちろん、選手としてのぼくも助けてくれた。だから、引退後はレアに尽くしてあげるのさ。」
ボバンに魅了されたのはレアだけではない。
その機知と、素朴さ、そして礼儀正しさは、イタリアのメディアやサポーターにも愛されている。
彼は、わが国第一級の民間大使なのだ。


「オフはアドリア海のブラック島で過ごすんだ。クロアチアの澄みきった海を一度みると、もうミラノには戻りたくなくなる(笑)。都市の喧音とは無縁、まさに別世界だよ。いつか家を建てて、引退したらそこで暮らそうと思ってるんだ。」
イタリアの新聞に載った彼の発言は、観光局顔負けのクロアチアPRになったことだろう。
クロアチアでは、ほとんどのスポーツ選手が兵役を免除されている。
武器を手にするよりも、彼らがプレーに集中するほうが国家のためになることを、大統領は知っているのだろう。
世界各国に散ったクロアチア人選手たちは、兵舎で時間を失なう代わりに、真実の祖国の姿を伝えている。


ヨーロッパ選手権予選の開幕前、選手たちは代表入りの際に支払われる
1000ドイツマルクのプレミアム以外に、褒賞金を受け取らないことを申し合わせた。
ただし、本大会に出場した場合、サッカー協会は支出入を試算した結果、賞金として9万ドイツマルクを選手たちに支払うことを発表したが、その数日後、ボバンとその仲間たちは3分の1の金額を孤児の教育費に当てることを決めたという。


ズボニミール・ボバン――。
心優しき戦士である。

                 ヨーロッパ最強!?クロアチアの秘密[後編]より



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数あるアスリートの中で、ボクはボバンが一番好きです(・o・)

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クロアチアクロアチアは、正式名称クロアチア共和国で、東ヨーロッパの国。首都はザグレブ。バルカン半島に位置する共和国。スロベニア、ハンガリー、セルビア・モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナと接している。旧ユーゴスラビアから独立した。クロアチア共和国Republ

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